一週間と月火水。

月曜日。
もうすぐ東京を去ると言う友と、散歩をする。
人生の中のたった6年、されど6年。
夜に再び、雨の中を歩いた。
あっちに寄って、こっちにも寄って、少し浮かれて歩く。

火曜日。
雨が続く。
気に入りの傘と長靴で出掛ける。
緑が艶めく。

水曜日。
5月9日、わたしによく似た人の誕生日。
彼が幼い頃を、思い出す。
30歳、おめでとう。

木曜日。
静かな中華料理店で、ちょっと特別な食事をする。
美しい夜だった。

金曜日。
もうすぐ完成する友の新しい家を見に行く。
長いことおとなしくしていたわたしの家移りの虫が疼く。
でもまだ、今の家が好きなので当分はこのままで。

土曜日。
午前中、母の歯医者に付き添う。
長年診て頂いている先生から、母が以前より元気になったようで良かったと言われる。
ありがたい。
お昼に母とふたりで担々麺を食べる。

6月に予定している友との小さな旅のために指定席を取る。
5人旅、これは楽しみだ。

日曜日。
86歳の友の母を訪ねる。
取り留めのないおしゃべりをしながら、片付け物の手伝いをする。
引き出しの中から思い出話を聞かせてもらう。
これは友達のおみやげなの。
これはロンドンで買ったの、あなたの英語は完璧ねって言われたのよ。
これは香港の友達を訪ねた時にプレゼントされたの。
これはハルピンで買ったの、帰りにまだあったら買おうと思って、
そしたら帰りにまだあったの。
これはマレーシアで買ったの、こういうのがたくさん売っているの。
わたしは訪れたことのない街へ思いを馳せる。

どしゃ降りの夜、友の歌とウクレレを聴きに行く。
話す姿や歌う声を、海のようだと思う。
こちらは砂浜に寝転んでいるだけで、場面が移り変わる。
波は寄せては引き、弾けたりもし、時折なにかをぐるんと巻き込んだりする。
風が吹き、雲が流れる。
「砂浜に寝転んで海を眺めている」ような夜。

月曜日。
愛する友より絵葉書が届く。
鳴子温泉、お湯サイコーのこけしの聖地、とある。
彼女はわたしにとって、地球はそんなに大きくないのかも知れないと思わせる人。
常に旅人である彼女が、わたしの住む東京を拠点にしている今が束の間であったとしても、
幸せだなと思う。

火曜日。
数日続いた雨も止み、夏のような日差しが戻って来た。
途端に身体が楽になる。
麦わら帽子をかぶって出掛ける。
帰り道、可愛いねこちゃんと会う。

水曜日。
朝方に見ていた夢が思い出せない。
広島からやって来た人の、とても丁寧な仕事振りをちらちらと横目で見る。
友と最近観ている海外ドラマと映画の話をする。
クリーニングに出していた冬物のコートやニットワンピースを引き取りに行く。
夕食の味噌汁に紫蘇の葉を入れ忘れて嘆く。

一週間と月火水、まじめに暮らしたつもりです。

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