玉蘭と望春。

玉蘭と望春。
白木蓮と紫木蓮の別名。
まるで美しい姉妹の名のよう。
中国からやって来た姉妹は、春の訪れを告げる。
肉厚の花びらはしっとりとし、
口に含めばほろ甘く心が満たされるのではないだろうかと欲望が湧く。

玉蘭は、その微笑みに誰もが癒される心優しい娘に育っていた。
望春は、紅に染まる頬とその歌声で村人たちを魅了した。
美しく働き者の姉妹は、父と母を敬い、祖父母をいたわり、
健やかに持てる愛を惜しみなく人々にそそぎ、誰からも愛された。

一生をただ幸せに、誰も不幸にすることなく、
花のように美しい生涯を終えることができたなら。

白木蓮と紫木蓮。
束の間、顔を寄せ、その香りに目を閉じ、短い夢を見る。

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