東四十四条。

北京旅行の計画の当初、とても便利な場所に在るタワーホテルに泊まることになっていた。
けれど同行された北京出身の方のご配慮で、せっかく北京に行くのだからと四合院のホテルに変更することになった。

空港からの車は高速を降りると暫く広い道を走り、
そろそろホテルという辺りでとても古くて細い路地を曲がった。
車がすれ違うことも難しい。
こんなところにホテルが在るのかと思うような場所で車を降り、
大きな扉を入ると、そこは映画で観るような四合院造りのお屋敷だった。
かつては個人のものだった建物が時を経てホテルとして使われることになったのだろう。
中は新しく、そして美しく整えられており、
なんならホテルを楽しむ滞在でも良いと思うほどだった。

奥が深くて進んでも進んでも扉と廊下と中庭が続き、敷地の全貌が見えない。
昨日開いていた扉が今日は閉ざされている。

部屋はとても静かで、1階が居間、2階に寝室とバスルーム。
居心地が良い。
窓を開けると坪庭があり、見上げると月が輝く。

同じ通りとは思えない暮らしの違いが在る。
それは不思議なようで、妙に納得の行く光景だった。

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