クリスマスの仕度。

クリスマスの仕度。

この時期の街はきらきらそわそわとしている。
クリスマスツリー。
「わたしのお姫さま」と呼んでいた小さな女の子がいた。
生まれた時から知っている彼女がとてもしっかり者の女の子になった頃に、
自分のクリスマスツリーが欲しいと貯めていたお小遣いで背丈ほどのクリスマスツリーを買った。
居間に置かれたツリーと並んでにっこり笑う彼女の写真はとても素敵なクリスマスで、
その話を彼女の母親から聞いたわたしは珍しい買い物をする子供だと思い、
ツリーに飾り付けてもらう為に毎年少しずつオーナメントを贈った。
外国の物語のようにツリーの下に置いてもらおうと、
贈り物をひとつひとついくつもに分けて包み、きれいなリボンをかけて、
離れた土地に暮らす彼女へ送った。
いろいろな場所で見つけたその年その年の不揃いなオーナメントと共に。
どれを気に入ってくれたのか、どんな風にその時を過ごしたのか、
一度一緒に飾り付けてみたかった。
彼女の母親は、包みを開く時の顔を見せたい、と言ってくれた。
彼女が大学生になり家を出ることになったのでその習慣も終えてしまったのだけれど、
自分のツリーを持たないわたしにはとても楽しい行事だった。
彼女を想いながら選んで贈る楽しみこそが、わたしのクリスマスそのものだったと思う。
幸せな時間をもらっていたのだと改めて思い懐かしく、街のツリーを見上げてにっこりとする。

ここ数年のクリスマスはただただ年末の慌ただしさに追われ、
彼女が子供だった頃の丁寧さはすっかり失われていると反省。
もうすぐクリスマスがやって来る。

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