花暦。

歩く道に花を見掛けるようになると、あっと言う間に春が来る。
団地の庭が好きなのだが、新しく建て替えられると大抵こういう庭は残らない。
残しても良いのにな、と思う。

沈丁花の香りが好きだ。
わたしの実家はマンションの1階で、まあまあ広い庭があった。
沈丁花の小さな枝を庭の右側の土に挿した。
それはわたしが想像していたよりも早く、ぐんぐんと育ち、
毎年この季節に甘い香りの花をたくさん付けた。
数年が経つとわたしの挿した沈丁花は庭の6分の1ほどを占める大きさにまで育ち、
わたしの家族がそのマンションを離れることになった時に、
その庭には不釣り合いに大きくなり過ぎた沈丁花の木を切ることになった。
かわいそうなことをした。
せっかく大きくなったのに。
あの庭で、紫陽花も薔薇も期待するほどには育たなかったのに、
土が合ったのか、沈丁花だけが10代の元気な女の子のようだった。

母と小父小母の家を訪ねるのに、駅からの道の途中で小さな花屋に寄った。
濃い紫色のトルコ桔梗と松笠アザミに似た花で花束を作ってもらった。
この花の名前をわたしは知らない。
花屋のおばさんも「なんだったかしらぁ」と言う。
おかしかったので、わからないまま店を出た。

両側にお寺が続く道には好きな風景がある。

少し年代物のウルトラの人たち。

大通りから見えたピンク色に吸い寄せられて、曲がらなくても良い道で曲がる。
曇り空に桜色。

さて、何をしている途中でしょうか。

立派な三椏の木だった。
ミツマタ。
とても好きな花。
和菓子のようだと思う。

良く晴れた日の帰り道。
絵を描くことを生業としている友の個展に伺おうかと思ったが、休廊日だった。

何度か降りたことのある駅だった。
こんなに大きな富士山が見えていたなんて気が付かなかった。

昭和の建物はかっこいいと思う。

初めての住宅街を歩いていたらカワヅザクラと札が掛けられた桜の木が花盛りだった。
河津桜。
青い空、緑色の葉と桜色。
理想的な春の風景。

花見をしよう、と若い友人たちと約束をした。
嬉しいばっかりだ。

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