1月。

中央線から見える白い富士山は、そうではない季節よりも少し大きく見える、ような気がする。
そして頭の中でこれくらいと思っているよりも、かなり大きい。
富士山が大きいと嬉しい。

『PANDA CAKE』という絵本をリングノートに作り替えられたものを昨年の手帖に使っていた。
お話が終わると白いノートが始まる。
カレンダーを手書きにして、あとは思い付いたことを書き留めたり、
旅の思い出を貼っておいたり、わたしの一年が収まっている。
そうそう見返すものでもないのだけれど、その年の内は楽しい。
1月はまだ新しい手帖が嬉しくて、用もないのに開いて見たりする。

正月三が日も過ぎて、母の女学校の友人である小母の家に集まった。
小母は身の回りのものを少しずつ整理し始めており、
訪ねる度に、小母の中で気になっているものの行く先を教えてくれる。
この日は着物の箪笥を開けた。
袖を通している姿を見たことのないものもある。

何度か一緒に出席した祝いの席で着ていたものは懐かしく、思い出に繋がる。

白紬。
小母が若い頃に誂えたものは、それを着た小母に会えなかったことを残念と思わせた。

目付き、綸子、鮫小紋、総絞り、八掛、お被布、道行き、五つ紋、
普段の暮らしの中で忘れている着物に纏わる言葉が、触れているとさらさらと出て来る。
この冬は着ようか、久し振りに。

冬はホット・バタード・ラムを。
メニューに初めて見た時は、ホット・バター・ドラムと読み、
ドラムってなんだ?と思いながら注文して、あぁ、ラムね、とこっそり笑った。
香りの良い、少し甘い冬の間の楽しみ。

そんな訳はないのだが、このところ三日月が早くやって来るような気がする。
夕暮れ時の空を見上げると、細く小さくそこに在る。

もう暫くは1月だ。
今日、友と2月の約束をした。

LINEで送る
Pocket