Merry Christmas !

今年のクリスマスは随分と早くやって来た。
まだ10月だと言うのに早々にツリーやライトを売り始めている店を見かけ、
待って待って、秋もそこそこなのにそんなに急かさないで、と一人慌てた。

11月の終わりに、仕事の打ち上げで原宿へ行った。
駅を出て、思いがけず表参道のイルミネーションに迎えられ、
そうか、この季節だった、と思った。
でも、まだ早い。

表参道のイルミネーションが始まったのはわたしが20代前半の頃で、
携帯電話も無く、写真を撮る人も少なく、
歩道橋の上からただただうっとりと眺めるだけで、
コートの襟元を合わせて友と並び、その美しい景色の上で長い時間、恋の話をした。
この季節に表参道を歩くと、あの日のことを憶い出す。
美しい友の横顔、頬の冷たさ、彼女の声を憶い出す。

友のお店のショーケースのクリスマスが可愛くて誰かに贈りたいと思うけれど、
その誰かが思い浮かばなかった。
毎年大勢でクリスマスに集まって食事をして、プレゼントを贈っていた時期があった。
車を数台連ねて東京を離れ、気に入りの旅館を何部屋も取り、
クリスマスの数日を温泉で過ごしていた時期もあった。
その頃は、クリスマスは洒落たホテルで過ごすのが流行りで、
温泉旅館は値段も下がり、手頃で楽しい過ごし方だった。

都会のデパートで出会して、へぇ〜、と思ったピンク色のツリーは、
ピンク色のランドセルを連想した。
新しい夢の世界の扉が開くようだ。

スキー板のツリー。
男の子の部屋のよう。
これは楽しい。

この無骨で巨大なツリーが駅前に現れた時には、
そんなに無理をしてクリスマスツリーを用意しなくても、と思ったけれど、
年々見慣れて来るから可笑しなものだ。

オーソドックスな飾りが好きだ。

ショコラカフェの愛らしいツリー。

子供の頃に贈られた丸い缶のチョコレートの詰め合わせを思い出した。
色鮮やかな包み紙を一枚一枚丁寧に伸ばして大切にしまっていた。
今だにその習性が抜けない。

クリスマスは子供がいなくてもそれなりにわくわくそわそわとする。
楽しい心持ちにもなる。
幼い頃に父にねだって買ってもらった尻尾の長い猿のぬいぐるみのことを思い出した。
父と母と三人で行ったデパートのぬいぐるみ売り場で一目惚れをして、
その前から強情に離れなかった。
ミッキーと名前を付けてとても可愛がった。
いつ手放したのかを思い出せない。

日々その横を通る青い耀きは、夜空のように美しい。
メリークリスマス。

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