気づくと、それまで仲の良かった人に、心の扉をガッシャン閉じられ完全に無視されていることがある。一人や二人じゃない。
きっと、私の言動の何かがその人たちの中で「ナシ!」ってことになったのだと思う。
その度に、結構落ち込む。それから何年も経った今でも、ことあるごとに思い出しては、「あゝ私ってばやっぱり、どっかしら“ヤな感じ”なんだろうな……」と、じぶんにガックシくる。
「何か悪いことした?」と訊く勇気もないので、弁明も謝罪の余地もない。これだという原因がわからないままのこともあった。

まだ純粋だったハズの小学生の頃に、親友に「性格が悪い」と言われたくらいだ。きっと、性格が悪いのだろう。
性格というか、「性根が悪い」というか、性根が……海綿体? そうだ海綿体みたいな! スポンジみたいな? スカスカしてぽろぽろ!!(だからスポンジ・ボブが異様に好きなのか!?)

本当はしっかりと密のある固形であるはずの人格・性格の根っこの部分が、生育過程でいろいろ満たされず、穴だらけの海綿体状態。

だからまず、妬みがすごい。汗
嫉妬しすぎて観られなかったり、その場にいられないものが幾つかある。
女子フィギュアスケート・大道芸・音楽のライブ……なんてのがそうだ。
全部素敵じゃん! 楽しいじゃん! なんでよ? って感じだけど、純粋でキラキラしているもの・幸せそうな人たちの集まりなどを目の当たりにすると、眩しすぎて目が潰れそうで。心もべっしゃんこ。

なのでそういったものは、なるべくならひたすら避けてきた。
それでも回避できずに勝手にくらってしまったときには、この世の健全ですこやかな心の持ち主がするであろう「正解の反応」を演じることに逐一努めてきた。
私のくだらない妬みなんかで、一緒にいる人をとばっちりで不愉快にさせてしまうなんてことは、それこそ申し訳なさすぎて最も避けたいことだ。

だけど、そんな根深い妬み心理のせいか、素の愛情表現もヘタクソだ。
愛おしかったり、思い遣りで笑ったつもりが、「嘲け笑っている」と受け取られてしまうことがあるらしいことを自覚している。

また、心の底から感動して漏らす感嘆の言葉ほど、「今のぜんっぜん心込もってなかったね!」「そう思ってないでしょ?」と概ねにして言われる。メチャクチャそう思って言ってるのに。

たぶんそれは、もしかしたらこれまでの人生、そんな性根を矯正しようとあがき、妬みをひた隠しにした演技をし続けた結果、その歪みやねじれによる代償なのかもしれない。海綿体の心が経年劣化でボロボロさん!

もう、こんな私でも匙を投げずに赦して付き合ってくれている友人・知人・周りの人びとに、すがりつくように「ありがとうごぜぇますだ……ほんに、ありがとうごぜぇますだ……」の日々だ。

その中で、今のところここ10年間、私の友だちでいてくれているKがいる。
Kはとても愛嬌があって、おもしろくて、可愛くて、私はKが大好きだ。
「彼女ならこんなとき、どんな反応をするかな?」と、魅力的で人望も厚い彼女を真似したくてよく思い出したものだ。

私がかつて、彼女をひどく傷つけてしまうような愚かな失態をしてしまったとき。
私はひたすら謝りながらも、これはもう完全に関係を切られるなと覚悟したほどだったけれど、彼女はまずメッチャ怒って、泣いて、それから泣き止んで、そのままだった。そのまま友だちでいてくれた。それは、今でも。

今日3月28日はKの誕生日だ。
友だち達の誕生日は皆んな、私は実はだいたい覚えている。でも、最近ではもう私なんぞの誕生日を、それぞれの人生の忙しい日々の中で通り過ぎてしまう友人たちの負担にならないように、敢えておめでとうと言わなくしていたりする。
それでも今日ばかりは、重荷になってでも、感謝を込めて祝福したい日だ。

「誕生日おめでとう! あなたがこの世に生まれて、私に出会ってくれて、赦して受け容れてくれたこと、本当にほんとうにありがとう。これからもずっと、ずっと幸せでいてね!
あなたの友人スポンジ・ラブより愛を込めて」と。

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PROFILE執筆者プロフィール

大島智衣

エッセイスト・脚本家/おもに恋と'じーん'について ✐エッセイ『男子発言ノート』『好きにならずにいられてよかった』他 ✐脚本協力『獣道』内田英治監督 ✐脚本『花の名前』利重剛監督、BOYS AND MEN『キスのカタチ』/放課後の再放送ドラマ育ち。実家暮らし独身。おいしそうに食べます。