わきの下って、もはや陰部なのではないだろうか。

わきの下の処理をする必要がなくなって久しい。永久脱毛したわけではない。もっぱら昨今、ソコは自然にまかせた状態になっている。
もともと、体毛は薄い方で、MAX状態でも見た目やや濃いめのうぶ毛程度。まんまるな体型からしてノースリーブはおろか袖の短いトップスは着ないから、腕を上げたときにうっかり未処理のソコを露呈しちゃうという機会もない。水着も絶対に着ない。何より、処理が必要な「色っぽい出来ごと」がとんとない。もうホント、わきの下を処理する必要がこれっぽっちもないのだ。

たしなみ?

うん……まぁ、わかる。ゴメンナサイ。でも、そもそもやっぱり、陰部なんだと思うのね、わきの下って。
だって、テレビ観ながらなんとはなしにわきの下に手を延ばして触ったときの感触、下の方の元祖・陰部とあんまり変わらないなって思ってしまった。

だから、剃らなくていいと思ってしまった。で、剃ってもいいとも思う。下の元祖と同様にそれは個人の自由。そして、そういうことするお相手がもしもそう望み、それを受け入れるなら。

だから……生やしていても、よくない?

だって、毛が生えてくるところなのだから生えてくるなりの意味があるのだろうし、何かから守ってくれてるのでしょう、きっと。
「毛は匂いの温床」だとも聞いたことがある。だから何かしらフェロモンも放出してくれているのでは? フェロモンは出していきたい。願わくば大いに。

それに。そもそもわきの下って魅力的過ぎじゃないのだろうか。そんな魅力的なわきの下をつるすべ状態で露出させるなんて、危険じゃありませんこと? 剃る風潮に踊らされてない? エステ業界にノらされてない? 永久脱毛する前にちょっと立ち止まって、もう一度よくその毛の魅力について考えてみない? と、案じてしまう。勝手に。

肩はお尻、二の腕は太もも、わきの下は陰部。私はそう思っている。

だけど……あんまり隠したり保守的なのもどうかな、か。誰しもじぶんの魅力を最大限に露出していいはずだものね。隠せとは言わない。剃るなとももちろん言わない。

ただ、私はもうそのままでいく……!
いつの日か、もしかしたら、それがいいと言ってくれる伴侶に出会えるかもしれないじゃないか。しれないじゃ、ないか! ない……か?

しかし以前、ある男性にわきの下の処理をしない女性のことをどう思うか訊いたら、「え。なにやってんの? って思う」とヒジョーにマジな温度で答えが返ってきた。その反応に、はははははーと大いに笑ったけど、心の中では苦い汗がびっしょり。無論、私がまさにそんな女性であることはついぞ言えなかった。

やっぱり……そりゃ何言ってるんだろう? って思ってる。陰部だ陰部だっていったって、わきの下から子どもが生まれてくるわけじゃないしね……。そう弱気になったところで別の男子がこう口を開いた。

「でも、釈迦はわきの下から生まれたんスよ」

えええええ!! 釈迦がぁあああああ!?

ほおらね、やっぱり。
わきの下は“もはや”どころか“そもそも”陰部だったのだ。

だけどもしも。もしも、今生。こんな私にもまだ色っぽい夜が訪れた場合……どうやってこのナチュラル・アンダー・わきのヘアについて申告するのか? どのタイミングでその申告は果たしてすべきなのか? まるでわからない。答えはもはや、わきの下……いや、藪の中なのだった。

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PROFILE執筆者プロフィール

大島智衣

エッセイスト・脚本家/おもに恋と'じーん'について ✐エッセイ『男子発言ノート』『好きにならずにいられてよかった』他 ✐脚本協力『獣道』内田英治監督 ✐脚本『花の名前』利重剛監督、BOYS AND MEN『キスのカタチ』/放課後の再放送ドラマ育ち。実家暮らし独身。おいしそうに食べます。