“テレ東魂!”に拍手と握手を|相原くんの「これ、読んでみる?」61


紹介本:コミックエッセイ『オンエアできない!女ADまふねこ(23)テレビ番組つくってます』(著者:真船佳奈 朝日新聞出版)

ここ数年、気になり、注目しているテレビ局がある。“テレビ東京”だ。
ニュースとスポーツは、日常的に見るが、録画機能が内蔵されたテレビのおかげで私は、週末にこれからの一週間の気になる番組を予約することにしている。出版社勤務ということもあり、自社刊行の著者の出演、本が紹介されるなどはもちろん、社内外の編集者から「これはチェックしておいてください」といわれた番組などを予約しておく。
そして、これは私に限ったことかもしれないが、“NHK・BSプレミアム”、“Eテレ”、“テレ東”が多いのだ。ある人物を取材した特集番組、紀行ドキュメンタリー、インタビュー番組が多いせいかもしれない。
テレ東は、経済番組、そして深夜枠の“企画重視”(と私には感じる)面白いドラマが深夜枠に集中しているのだ。

テレ東の勢いを感じて、『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』(著者:伊藤隆行 集英社新書)を読んでみた。面白い!たくさんの謎が解けていく。そこには、「マイナスを逆手にとってプラスに変えていく思考」「莫大な製作費がなくても、超大物の著名人、役者が出演しなくても、知恵と行動力と少しの勇気があれば、同じ放送の時間帯で堂々と戦い、勝つことだってできるのだ」ということが、書かれていた。そうだ、そうだ、自分の身を考えても、いや、フリーでも、会社勤めでも、ほとんどの人がいわゆるエリートではなく、様々な制約の中、良いものを創ろう、と懸命に頑張っているのだ、と感じた。

そして、テレビ東京の社員でありながら、セキララにコミックエッセイというカタチで、“テレ東魂”を見事に描きあげたのが、真船佳奈さんである。ここには、ほのぼのとした癒しはない(笑)、でも不思議と笑ってしまうエネルギーに満ちた作品なのだ。
働き方改革の言葉の元、もはや数年前のこの物語も、もはや夢のように語られてしまうようになってしまうのだろうか…。「苦しいことばかりだけど…それでも、この仕事を続けていく私」の著者、真船さんのことを、これから就職活動をしていく人たちはどんな感想をもつのだろうか?
こういったバイタリティのある人材がいるテレビ東京は、ますます強くなっていく、魅力ある番組を世に送り出していくことだろう。
このコミックエッセイと、“テレ東”に、大きな拍手と握手をしたいと思っている。

2019.02.17
  相原 透










ABOUTこの記事をかいた人

相原透

相原 透(アイハラ トオル) 東京生まれ。20余年、都内書店勤務。その後、出版社に転職。 週刊朝日、IN・POCKET(講談社)、銀座百点、公募ガイド 等  雑誌に書評、著者取材・原稿、寄稿多数。 講談社文庫『光二郎 分解日記 相棒は浪人生』(著者:大山淳子 2017年刊行)の解説を書く。 『カタヨリ荘』の住人になれて嬉しくて仕方がない毎日。 好きな作家:池澤夏樹、沢木耕太郎、桜木紫乃、伊吹有喜、大山淳子、柚月裕子