原田芳雄さんの遺作、原案小説もグッとくる!|相原くんの「これ、読んでみる?」㊽


紹介本:『いつか晴れるかな 大鹿村騒動記』(著者:延江浩 ポプラ文庫 2011年刊行)

東京FMで働く延江さんの作るラジオ番組は、本当に魅力的だ。
詩人の清水哲男さんの早朝の番組、大貫妙子さんの番組『仮想熱帯』『空想紀行』、ラジオドラマ『3年7組 栗原清志の青春』、ミュージック・ドキュメンタリー『言の葉の海に漕ぎ出して』そして…村上春樹さんが選曲、語りの『村上レディオ』。
そして、俳優・原田芳雄さんの遺作『大鹿村騒動記』の原案も延江さんの小説である。
「大事な友人である映画監督の阪本順治氏に頼まれて書きました。文庫の解説に阪本さんが書いてあるように、小説と映画は内容が異なる点が多いけど、これはもう、原田芳雄さんのために、集結したチームだから。原田芳雄さん主演映画を作る!これがすべてだと思いました」そう延江さんは語った。
映画公開97館のスタートが、最終的に170館まで増え、多くの人が観て、評価も高い作品となった。主題歌の『太陽の当たる場所』(忌野清志郎)もすごく良かった。
延江さんの小説は、故郷の大鹿村のために新宿のゲイバーで働く男という設定になっていて、小説は小説でグッとくる内容。
「公開して、すぐに立川の映画館で観ました。エンディングのテロップで延江さんの原案・小説と知りました」というと、延江さんは「だろうね!」と笑った。
「いつもは言葉と音楽のラジオの世界で働いているけど、出版の世界や、映画の人たちとの交流は本当に刺激的だね。分野の壁なんて飛び越えていかないと駄目だと思うよ」
そう語る延江さんは、最近アエラ誌上に『小林麻美とその時代』というノンフィクションを前・後編で発表。伝統ある雑誌「銀座百点」にもTBS記者の松原耕二さん、雑誌の編集長の古川誠さんと巻頭鼎談をされたばかりだという。
延江浩さん、60歳、直向きなエネルギーは止まらない!










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カタヨリ荘

相原 透(アイハラ トオル) 東京生まれ。20余年、都内書店勤務。その後、出版社に転職。 週刊朝日、IN・POCKET(講談社)、銀座百点、公募ガイド 等  雑誌に書評、著者取材・原稿、寄稿多数。 講談社文庫『光二郎 分解日記 相棒は浪人生』(著者:大山淳子 2017年刊行)の解説を書く。 『カタヨリ荘』の住人になれて嬉しくて仕方がない毎日。 好きな作家:池澤夏樹、沢木耕太郎、桜木紫乃、伊吹有喜、大山淳子、柚月裕子