追いかけて読んでいく、作家|相原くんの「これ、読んでみる?」㊼


紹介本:『狭小邸宅』(著者:新庄耕 2013年刊行)

新庄耕さんの小説デビュー作。不動産会社に勤める営業の「僕」は、まったく冴えない営業マンで、いよいよ会社から戦力外通報を受ける。ブラック企業そのものとも思える描写が続き、もうアウトなのか!という中、人生の逆転をかけて「一件売る!」ために勝負に出る「僕」。「僕」に勝利の光は当たるのか?第36回すばる文学賞受賞作。

新庄耕さんとは、新宿、下北沢の酒場でよくお会いする。新庄耕さんの名前はペンネームで、耕は、沢木耕太郎さんの耕から、尊敬を込めてつけたという。なので、沢木さんの作品についてはよく話をする。そして映画『竜二』についても、私も新庄さんも好きなのだ。何度も何度も繰り返し、この『竜二』について話した。たぶん、また会うとまた話すと思う(笑)。
すばる文学賞受賞作は、必ず読んでいるが、「この『狭小邸宅』は、佐藤正午さん、松本侑子さん以来の傑作ですよ」とお世辞ではなく話した。
「それは、最高の誉め言葉ですね」と新庄さんは笑った。
映像化の企画も何度もあったらしいが、実現していない。役者さんが読むと、この役は演じたい、と思うのでないか?と役者でない私はいつも想う。
追いかけて読んでいく作家がまた一人。新庄さんはひたすら新作を書き続けている。










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カタヨリ荘

相原 透(アイハラ トオル) 東京生まれ。20余年、都内書店勤務。その後、出版社に転職。 週刊朝日、IN・POCKET(講談社)、銀座百点、公募ガイド 等  雑誌に書評、著者取材・原稿、寄稿多数。 講談社文庫『光二郎 分解日記 相棒は浪人生』(著者:大山淳子 2017年刊行)の解説を書く。 『カタヨリ荘』の住人になれて嬉しくて仕方がない毎日。 好きな作家:池澤夏樹、沢木耕太郎、桜木紫乃、伊吹有喜、大山淳子、柚月裕子