新宿を歩き、呼吸を整える|相原くんの「これ、読んでみる?」㊸


紹介本:『BAR(バール)追分』(著者:伊吹有喜 2013年刊行)

10代の頃から新宿を中心に動いていた。紀伊国屋書店、珈琲屋さん、美味しいパン屋さん、テアトル、ピカデリーの映画館、昔は東映映画館にもよく行った。新宿ロフトでARBやシーナ&ザ・ロケッツのライブを聴き、その頃買ったレコードやCDは今でも大事にとってある。芝居も観たなぁ。
よく行く酒場も新宿が多い。だからかどうかわからないが、新宿を歩き、意識して深呼吸をすると、なんだか落ち着く。今でも新宿が好きなのだ。

そんな新宿が舞台の小説『BAR(バール)追分』。『四十九日のレシピ』『ミッドナイトバス』が映画化され、ロングセラーとなっている伊吹有喜さんの人気シリーズの第一弾である。新宿三丁目の交差点近くにある《BAR追分》、昼は珈琲やカレーを出し、夜はバーとなって本格的なカクテルや魅惑的なおつまみを供する、魅力的なお店。
昼の店主、夜のバーテンダー、様々な職業を持つお客たち、それぞれが主人公になったり、脇役として味のあるひと言を話したり、そして何よりも食事の描写が美味しそうなのが良い。読んでいると、お腹が空いてくる!
『オムライス日和』、『情熱のナポリタン』とシリーズは継続中。
映像化してほしいと思うのは、私だけではないだろう。
シリーズの中には、実際のカレー屋さんも出てくるので、読み終えた後、本当にそのお店に行くこともできる。シリーズ最新作が待ち遠しい。

さてと・・・久しぶりに「ふらて」で飲もうかな。










ABOUTこの記事をかいた人

カタヨリ荘

相原 透(アイハラ トオル) 東京生まれ。20余年、都内書店勤務。その後、出版社に転職。 週刊朝日、IN・POCKET(講談社)、銀座百点、公募ガイド 等  雑誌に書評、著者取材・原稿、寄稿多数。 講談社文庫『光二郎 分解日記 相棒は浪人生』(著者:大山淳子 2017年刊行)の解説を書く。 『カタヨリ荘』の住人になれて嬉しくて仕方がない毎日。 好きな作家:池澤夏樹、沢木耕太郎、桜木紫乃、伊吹有喜、大山淳子、柚月裕子