『人生は願いと選択の連続 翻訳絵本「まってる。」』

紹介本:『まってる。』(著者:デヴィッド カリ,セルジュ ブロック 訳:小山薫堂 千倉書房 2006年刊行)

「まってる」という言葉は「願っている」という言葉と同じ意味にとらえることができる。誰をまっている?何をまっている?それを明確に答えられる人、今まさに「まってる」渦中の人、あえて「またない、願わない」ことを選び、生活している人、様々だと思う。
ヨーロッパ各地で、売り上げが良く、商経営書の専門出版社、千倉書房さんが刊行した翻訳絵本は、多くの人に読まれ 現在もロングセラーとなっている。
「美味しいケーキをまってる」「弟か妹が生まれるのをまってる」「仲直りできる日をまってる」「再会をまってる」「運命の人との出会いをまってる」「戦争が終わるのをまってる」・・・ たくさんの「まってる」がイラストとともに描かれている翻訳絵本。
あの時、あの人と出会えたから、あの道を通ったから、あの日、あの映画を観たから、勇気を出して別れたから、その仕事を辞めなかったから・・・たくさんの選択、決断の連続で“現在”の自分がいる。そして心の中にある「まってる」(願っている)を希望に変えて生きている。

この翻訳絵本は、不思議な魅力があり、読むときの自分の気持ちで、その時その時の好きな「まってる」が異なる。ニコニコしながら主人公の少年の「まってる」を読んでいる時は、今、毎日を幸せに感じて暮らしているのだなと感じ、妙に心に染みてしまう時は、ちょっと疲れているな、まだ心配事がひっかかっているなと思えたり、そんな、気持ちのリトマス試験作用があるようだ。
今日も本棚から取り出して、ゆっくりページを見て、読んでいく。
自分は今どんな毎日を感じているのだろう。そして「まってる」人、物、事は何だろうと思いを巡らす。
あなたの「まってる」は何ですか?










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相原 透

相原 透(アイハラ トオル) 東京生まれ。20余年、都内書店勤務。その後、出版社に転職。 週刊朝日、IN・POCKET(講談社)、銀座百点、公募ガイド 等  雑誌に書評、著者取材・原稿、寄稿多数。 講談社文庫『光二郎 分解日記 相棒は浪人生』(著者:大山淳子 2017年刊行)の解説を書く。 『カタヨリ荘』の住人になれて嬉しくて仕方がない毎日。 好きな作家:池澤夏樹、沢木耕太郎、桜木紫乃、伊吹有喜、大山淳子、柚月裕子