『“雑想”の魅力、実感から生まれた言葉たち』

紹介本:『ブロッコリーが好きだ。』(著者:利重剛 近代文藝社 2016年刊行)

映画監督で、俳優としても活躍、利重さんのひとことエッセイ集『ブロッコリーが好きだ。』。
これは、大きな声ではっきり言いたい。良い本である!
日本中の人、みんなに読んでほしい。いや、日本以外でも、ブータンで生活している人も読みたい気持ちがあったら、ぜひ読んでください。
日々、フワフワと浮かんでは消えていく言葉たち、ある日、「本当にそうだよな!」と気づく言葉たち、そんな“雑想”の魅力いっぱいの言葉が4章に分かれ、ふたつのエッセイ、テーブルトーク(鼎談)、のどかさん(利重さんの娘さん)のイラスト、そして女優のともさかりえさんのエッセイ(「りじゅさんへ」)が収録されている。
「深呼吸をすると良い 簡単なことだが、効果がある」
「期待するなら、他人じゃなくて、自分にだろう?」
「待ち遠しいっていう感情は、すばらしく気持ちの良いものだなあ」
時々、本棚から取り出して、その時の気持ちにいちばんぴったりくる言葉を探している。
笑顔になる言葉もあれば、その言葉に刺激され深く考え、あっという間に時間が過ぎていることも多い。テーブルトークは利重さんの志が感じられ、清々しく、編集の高宮さん、この本の企画立案、構成をおこなった小板橋さんも実に頑張っている。
のどかさんのイラストについては、テーブルトークでもふれているが、この年齢、この瞬間でしか
描くことができない宝物のようなイラスト。本当に素敵なイラストだ。
ラストに載っている、ともさかさんの利重さんへの手紙、エッセイは、ここ数年 こんなに綺麗な気持ちにさせてくれたエッセイがあっただろうか・・・と感じるほど、すばらしい。
すばらし過ぎて、でも、これは利重さんへの手紙なのだから、なんだか読んじゃいけない気にもなって、時々読むのを我慢したりする(笑)ともさかさんの文章力、感じ方は本当にすごい。
もう一度だけ、言いたい。『ブロッコリーが好きだ。』は、すごく良い本だ!!

2018年、何を読もうか考えている人へ。 本屋さんへ行き、タイトルと出版社名を伝えれば、10日以内で届くと思う。
たくさんの人がこの本を読みますように。そして、読んだ人ひとりひとりが
何かを感じ、考えてほしいと願っている。

 


ABOUTこの記事をかいた人

相原 透

相原 透(アイハラ トオル) 東京生まれ。20余年、都内書店勤務。その後、出版社に転職。 週刊朝日、IN・POCKET(講談社)、銀座百点、公募ガイド 等  雑誌に書評、著者取材・原稿、寄稿多数。 講談社文庫『光二郎 分解日記 相棒は浪人生』(著者:大山淳子 2017年刊行)の解説を書く。 『カタヨリ荘』の住人になれて嬉しくて仕方がない毎日。 好きな作家:池澤夏樹、沢木耕太郎、桜木紫乃、伊吹有喜、大山淳子、柚月裕子